植物油脂の利用

研究内容

天然の植物由来の再生可能資源として、未利用資源に含まれる植物油脂・植物油、生物資源由来として甲殻類の殻から得られるキチン・キトサン、カイコ由来のシルクなどのタンパク質がある。植物油脂は脂肪酸トリグリセリドを主成分とし、その分解物が長鎖脂肪酸とグリセリドである。代表的なものとして、アブラヤシやココナッツ、大豆などがある。一方、植物油としてフェノール性化合物、カテコール化合物を含む天然漆やカシューナッツの殻油、テルペン類がある。またリグニン分解物や食品加工プロセスから得られる桂皮酸誘導体もフェノール化合物を含む。生物資源由来として、カニやエビの殻に含まれるキチン・キトサン、カイコがつくりだすアミノ酸等がある。本研究では、植物や生物から得られる再生可能資源のバイオリファイナリー技術の確立を通じた、新しい機能性サステナブルマテリアル（バイオケミカル、バイオマテリアル、バイオマスポリマー）やサステナブルエネルギーの創出を目指す。各資源から得られる化合物をビルディングブロックとし、マテリアルズインフォマティクス（MI）を駆使した高精度・高効率な新規材料設計と技術開発を行う。

本研究で着目する資源は、国内だけでなく海外資源を含む。そのため、資源発生国となるASEAN諸国との科学技術・大学交流に基づいた国際協同展開と国際研究開発基盤の構築も目指す。