人類が放出する二酸化炭素の量は 炭素換算で年間110億トンと推算されています。一方、陸上の光合成で固定される二酸化炭素は自然界では1130億トン、農業や林業などの人為的なものが290億トンと推算されています。もちろん、そのほとんどが呼吸や燃焼により再び二酸化炭素として放出されていますが、自然界で19億トン、農業や林業などで34億トンが固定されていると推算されています。大気中の二酸化炭素を吸収する様々な技術が提案されていますが、排出される膨大な二酸化炭素を吸収する手段は光合成以外にはありえません。

炭素循環型社会の実現

炭素循環型社会の実現

農業や林業による二酸化炭素固定量を増やし、得られたバイオマス由来の燃料で化石資源由来の二酸化炭素の排出を減らし、材料への変換や炭素貯留によりバイオマス由来の二酸化炭素発生を減らすことでのみ、カーボンネガティブが実現します。本拠点は、光合成のポテンシャルを最大限に活用する炭素耕作によるカーボンネガティブの限界に挑戦します。

炭素耕作で、炭素排出削減、炭素貯留を行います。
農林水産業におけるバイオマス新産業を創出し、化石資源依存産業を代替します。稲作では、メタン生成の抑制と二酸化炭素固定の他に、地域経済を活性化します。また、ここで増産される米は食料安全保障にも寄与します。

林業では、早生樹を用いた炭素耕作により、炭素貯留量を増やします。炭素耕作により生産される材料をプラスチックの代替材料にすることなどで、地域バイオマス産業クラスターを創成します。また、健全な森林による防災・減災にもつながります。

漁港遊休施設などを活用し、海洋微細藻類の大規模培養プラントを構築します。炭素貯留と代替燃料を生産します。

このビジョンを実現するために5つのターゲットを設定しました。
炭素耕作型農林業の確立
炭素耕作による材料開発技術の確立
炭素耕作による燃料生産技術の確立
炭素耕作で生成する温室効果ガス削減と廃棄物処理技術の確立
炭素耕作を受容する社会の実現
です。
各ターゲットの位置付けを図示しました。

炭素循環型社会の実現

稲、樹木及び藻類による光合成で固定した炭素を材料と燃料で利用し、利用できなかったバイオマスを処理し、肥料とするとともに、余剰の炭素を貯留します。このサイクルを社会が受容し、実現するため手段を構築します。それぞれの段階において社会実装を実現することが、このサイクルを回すことに必要なので、様々な企業が参画して社会実装を進めます。

ターゲットに基づいて5つの研究課題と目標を設定しました。

炭素循環型社会の実現

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