養王田プロジェクトリーダーが、2026年9月21日(月)から9月22日(火)にかけて、フィリピンの最高学府であるフィリピン大学ロスバニョス校(UPLB)の各学部・付属研究所、および東南アジアの農業を牽引する国際機関である東南アジア地域農学高等教育研究センター(SEARCA)を訪問しました。
8月の東南アジア3カ国訪問に続き、当拠点が目指す「アジア炭素耕作協会」の設立に向けた国際連携活動で、現地では、当拠点のプロジェクト概要や具体的な取組(モンスターライスやアイガモロボ等)について養王田プロジェクトリーダーから説明を行い、カーボン管理や持続可能な農業、環境科学など多角的な視点から非常に活発な意見交換を行いました。

1. 農業システム研究所(ASI)& 農工学部(CAFS)/フィリピン大学ロスバニョス校
ASI(Agricultural Systems Institute)をはじめ、土壌科学、作物科学、アグロフォレストリーなどの専門家17名とミーティングを行いました。
当拠点からプロジェクトの概要や技術の東南アジア展開への展望を説明したところ、先方からはモンスターライスの品質や生産性、水田におけるセンサー技術の活用、農産物流通やカーボンクレジットとの関連について多くの質問が寄せられました。変化する現場の社会状況と技術開発を同期させる当拠点のベースライン設定やインパクト評価についても強い関心が示され、今後の研究成果の共有や技術交流につながる有意義な議論となりました。












2. 森林・天然資源学部(CFNR)/フィリピン大学ロスバニョス校
森林資源やカーボン管理のエキスパートらと面談しました。CFNR側でもカーボン管理に関する研究を進めており、日本の大学との共同研究実績もあることから、本プロジェクトの取組に非常に強い関心が示されました。
具体的な連携の第一歩として、両組織の研究者間による「オンライン・マッチングセッション」を今後開催・調整していくことで合意し、また、バイオ燃料の社会実装や、マメ科樹木(Pongamia等)をはじめとする植物資源の利用可能性についても積極的な意見交換が行われました。












3. 東南アジア地域農学高等教育研究センター(SEARCA)
東南アジア地域全体の農業・農村開発を支える国際機関であるSEARCAを訪問しました。
先方で実施されている稲わらを活用したバイオチャー関連プロジェクトや、気候変動対策プロジェクトが紹介されるとともに、「モンスターライス」、「アイガモロボ」の利活用や、フィリピンの気候に適した「藻類バイオマス」への強い関心が示されました。農業従事者の高齢化といったフィリピンにおける農業が直面する社会構造の変化も見据え、拠点でも研究者等を招聘して技術的な協力・交流を行うことや、国際的なコンソーシアム等の多様なスキームを活用した今後の国際展開について深く議論しました。











4. 環境科学・マネジメント大学院(SESAM)/フィリピン大学ロスバニョス校
気候変動や環境管理分野を専門とする大学院組織であるSESAMとミーティングを行いました。
先方からは「Carbon Cultivation(炭素耕作)」という先駆的な概念や、持続可能なエネルギー生産アプローチとしてのモンスターライスの可能性、「アイガモロボ」や「カシューナッツを原料とするバイオマス素材の創出・高機能化技術」の他分野展開などに対して、非常に高い関心が寄せられました。
新設されたUPLB SARAI Center(データ駆動型農業等の拠点)との連携提案や、環境科学分野における学生・研究者の双方向交流についても前向きな提案があり、フィリピンにおける強力な連携ネットワークの足がかりを築くことができました。


 












今回の訪問では、それぞれの組織が持つ高い専門性と、当拠点の研究開発(カーボンネガティブ、スマート農業、資源循環等)との間に数多くのシナジーが見出されました。
一連の東南アジア訪問で得られた強固な信頼関係を活かし、国際共同研究やアジア炭素耕作協会の設立を加速させてまいります。
                                        東京農工大学COI-NEXT事務局